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(災害年表)
8月16日に発生した台風第15号はゆっくりと北上し、22日朝には紀伊半島の南海上に進み、その後速度を上げながら北上、22日夜には東京湾から関東地方へ上陸。その後台風は東経140度線に沿うように北上、23日の日中に渡島半島を縦断し、23日午後9時に礼文島の北の日本海で温帯低気圧に変わり、北海道から遠ざかった。 台風の接近により、22日から23日にかけて石狩・胆振地方を中心とした道央方面で激しい雨が降り、道内の広範囲で風が強まった。 22日から23日にかけての降水量は登別で289mm、支笏湖畔で275mm、福島町千軒で245mm、札幌で222mmに達した。 特に札幌では23日の日降水量は207mmで年間1位、最大瞬間風速も27.5m/s(SE)と、8月史上1位の記録となった(2017年現在)。 この大雨により、札幌市では市内北東部で浸水被害が出たほか、南区・中央区・西区の山沿いで鉄砲水が発生、小河川が各所で決壊したほか、恵庭市では漁川が決壊した。上磯町(現北斗市)では大野川がはん濫、500戸以上が床上床下浸水したほか、伊達市でも長流川がはん濫、800戸余りが浸水した。 また、名寄小学校(名寄市)で北側校舎の屋根が吹き飛ぶなど、上川や釧路、日高地方など家屋の屋根が吹き飛ばされたり、電柱が倒れるなど暴風や突風による被害も続出し、千歳空港では最大瞬間風速が33.8m/sに達したため空港を一時閉鎖するなど空の便にも影響があった。 札幌市南区では、オカバルシ川に流れてきた丸太を除去しようとして川に転落した男性が死亡、鶴居村では牧草舎屋根の修理をしていた男性が、強風により屋根ごと吹き飛ばされて死亡。2名の死者が出た。 釧路市では武佐中学校工事現場でプレハブ10棟のうち8棟が突風により全壊して作業員が負傷、小樽市では風で吹き飛ばされた看板が足に当たり、女子中学生が負傷するなど、全道で重傷12名、軽症42名の負傷者が出た。 余市町や仁木町、増毛町では収穫前のリンゴが5~6割落果する被害が出た。 8月3日~6日にかけての停滞前線と台風12号の豪雨災害と本災害をあわせて「56水害」とよばれる。 総被害額は904億1833万円。
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