自然災害と教訓
災害年表
〈災害年表〉 【】 二つ玉低気圧による暴風雪・暴風雨
[1972年2月27日〈昭和47年2月27日〉 –

2月27日に日本海と関東沖から低気圧が発達しながら北上、28日は北海道を挟むようにゆっくり北上し、29日には北海道の西海上でひとつにまとまり、勢力を弱めながら日本海中部へ南下した。 このため、27日から28日にかけて道南では暴風雨、道北や道東では暴風雪となった。 最大瞬間風速は27日は室蘭31.6m/s(E)、函館25.3m/s(E)。28日は稚内31.4m/s(E)、網走25.6m/s(E)、紋別25.5m/s(ENE)、雄武26.0m/s(E)、浦河43.2m/s(NE)。29日は江差で29.1m/s(SSE)を観測した。 降水量は27日に江差69.5㎜、函館65.5㎜、室蘭64.5㎜(いずれも2月史上1位:2018年現在)を記録した。 降雪量は26日から27日にかけて芽室町上美生170センチ、中札内村上札内156センチ、清水150センチと記録的な大雪となった。27日は占冠町トマム98センチ、南富良野町幾寅86センチ。 この大荒れの天気により、死者2名、行方不明1名、住家全半壊4,650棟、浸水家屋162棟の被害があった。 さらに漁船沈没37隻、破損4隻、電柱倒壊・破損950件、断線2,271ヶ所、停電85,000戸、道路損壊41ヶ所、橋損壊1ヶ所、堤防決壊3ヶ所、がけ崩れ4ヶ所、通信回線障害2,600ヶ所に上った。 27日は中山峠周辺では7ヶ所で大きな雪崩があり、観光バス7台、トラック9台、乗用車9台のあわせて330名が立往生した。札樽自動車道でも雪崩の発生により、開通以来はじめて全面通行止めとなった。 27日午前、余市岳から下山途中の酪農学園大学ワンダーフォーゲル部パーティーが白井二股バス停から北へ約1.2km付近で雪崩にあい、1名が亡くなった。また、盤珪スキー場でも下から400mの地点で表層雪崩が発生、高校生が巻き込まれて1名が負傷した。 根室本線新得~清水間では高さ2メートル、幅150メートルの大規模な雪崩が発生、不通となった。 国道38号線の狩勝峠では、通行止めを無視して入り込んだ車両約200台が新得側の6合目付近で立ち往生し、雪上車を使って救出作業が行われた。 渡島・胆振地方では湿った雪による電線着雪により、送電線が八雲-長万部間、虻田-洞爺湖間で切断、各地で停電した。喜茂別町とオロフレ峠付近では送電線鉄塔二基が倒壊した。 十勝地方でも湿雪による電線着雪により、停電が発生した。 雨により函館市や上磯町、伊達町で床上・床下浸水の被害があった。 利尻町の沓形小学校、中富良野町の西中小学校、伊達町の伊達中学校など、校舎の屋根が飛ばされる被害があった。室蘭市では大沢町3丁目の高台付近で風の被害が大きく、家屋の屋根を飛ばされた家が多かった。 登別市では海岸一帯が浸水、鷲別から冨浦にかけて約100戸が浸水した。

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