自然災害と教訓
災害年表
〈災害年表〉 【】 1973年6月17日根室半島沖地震
[1973年6月17日〈昭和48年6月17日〉 –

6月17日12時55分、根室半島沖を震源とする地震が発生(43.0N、146.0E、M7.4)。 道東を中心に、広い範囲で地震による強い揺れを感じた。 各地の震度は、震度5が根室と釧路、震度4が帯広と広尾、浦河、網走。震度3が札幌、室蘭、苫小牧。 地震発生11分後に、札幌管区気象台は北海道太平洋沿岸に津波警報を発表、午後1時半頃から根室方面より太平洋沿岸に津波が到達、根室市花咲1m47㎝、広尾町十勝港1m43㎝、釧路92㎝、浦河52㎝などの津波を観測した。 根室市花咲港では長さ3キロ、高さ2メートルの防波堤を越えて津波が侵入、約90戸が床上浸水、約200戸が床下浸水し、住民約1300人が高台にある花咲港小学校へ避難した。根室市落石港でも、小型漁船三十隻が50メートル離れた道路上へ流されたほか、岸壁のトラック23台が水をかぶり、うち3台が津波にさらわれて港内に沈んだ。 根室市では小学校14校、中学校4校、公営住宅300戸、一般住宅約1万2千戸が壁や窓ガラスを損壊した。 釧路地方の沿岸は10~20分間隔で津波が押し寄せ、浜中町霧多布では住民約4500任が高台に避難した。 釧路市桂台の海岸では小学生2名が津波にさらわれたが、通りがかりの男性に救出され無事だった。 弟子屈町では地震直後、摩周岳の火口付近の火山灰が崩れ、土煙があがったため、一時「摩周岳が噴火を始めた」とのデマが流れた。 苫小牧市は当日は運動会を開催していた学校が多かったが、昼食時の地震で泣き出す子もいた。 網走市では駅前の交通信号機が約3分間停電しただけで、被害は軽微だった。 札幌市では東区苗穂、丘珠で3000戸が約30分間停電した。 国鉄北海道総局では、地震発生により全道の列車約300本を止めて安全点検を実施、根室本線と釧網本線、標津線で路床の陥没や通信回線の不通などにより運転を見合わせた。 地震発生後、翌日にかけて20回以上も余震があった。

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