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- 自然災害と教訓
(災害年表)
8月29日9時に八丈島の南南東約350キロにあった台風第10号は、30日9時には、強い勢力を保ったまま銚子沖を北北西へ進み、12時には風速15メートル以上の領域を広げて大型となり東北地方に接近、18時前に岩手県大船渡市付近に上陸した。台風第10号はその後も北北西に進み、21時には函館市南西の日本海に抜けて31日0時に温帯低気圧に変わった。台風第10号の周辺では、広い範囲で非常に強い風と大しけ、大雨が続いた。
北海道は暖かく湿った空気の流入により、29日から太平洋側東部を中心に雨が続き、31日までの総雨量は、特に日高山脈周辺で多く300ミリを超える大雨となった。
また、台風接近時には日本海側南部や太平洋側西部を中心に、沿岸で猛烈な東よりの風が吹き、函館空港で最大瞬間風速36.5メートルを観測するなど暴風や猛烈なしけとなった。
8月17日に第7号、21日に第11号、23日に第9号が北海道に相次いで上陸し、記録的な大雨をもたらせた。それからおよそ一週間後の台風第10号の接近となった。台風の東北地方の太平洋側への上陸は1951年の統計開始以来初めてとなった。
この大雨の影響で、多くの河川が氾濫したため、特に十勝地方・上川地方では住家の床上・床下浸水が数多く発生し、暴風により渡島地方では住家の損壊が相次いだ。 また河川の氾濫や台風の接近に備え、多くの市町村で避難指示・避難勧告が発令された。交通関係では国道・道道の通行止めJRの運休などが発生した。
被害は死者2名、行方不明者2名、軽傷者1名、住居全壊24棟、住家半壊62棟、住家一部損壊934棟、床上浸水173棟、床下浸水310棟など。
8月31日4時40分頃、空知川水系ユクトラシュベツ川(幾寅築堤)堤防が決壊、また同日5時20分頃には十勝川水系札内川(帯広市大正橋下流)が決壊した。
さらに、8月30日には国道274号線(日勝峠)で広範囲に道路が崩落した。
大樹町において、20歳代男性が橋の崩落により車が転落し死亡した。
新得町において、70歳代男性が橋の崩落により車が転落し死亡した。
清水町において、男性1名が車ごと流され行方不明となった。また、男性1名が建物ごと流され行方不明となった。
道内では消防機関により470名が救助された。また消防防災へりで21名が救助された(道防災ヘリ6名、札幌市消防局ヘリで15名)
被害総額は1111億5000万円。
■平成28年(2016年)の8月は、わずか半月余りの間に北海道へ5つの台風が接近・上陸しました。過去に経験のない度重なる台風の接近・上陸の影響により、道内各地で記録的な大雨となり、河川のはん濫や土砂災害が発生したほか、暴風による被害も発生しました。北海道で暮らす私たちは、この災害を教訓として長く語り継ぐために、平成29年7月に南富良野町、新得町、清水町で被災した方々の協力を得て、啓発動画「まさかは必ずやってくる」を作成しました。
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